MTBクロスカントリー(XCO)レース中に足が攣る本当の理由|補給だけじゃない3つの原因と対策

「補給が足りなかったんじゃないか」

XCOレース中に足が攣ると、まずそう思う。塩分足りない、水足りない、って。

でも調べてみると、どうやらそれだけじゃないことが多いらしくて。

うちの息子がCoupe du Japon MTB(CJ)白山一里野のジュニアXCOで足攣りを経験したとき、補給の記録を振り返ってみたら電解質も水分もそれなりに摂ってた。それでも4周目で足は悲鳴を上げた。

なんで攣ったのか。どうすれば防げたのか。レースの記録をもとにいろいろ調べたことをまとめてみる。


そのレースで何が起きたか

CJ白山一里野、ジュニア6周回。タイム1時間18分26秒。

息子本人のレポートにこんな一節がある。

「登りで風がなくなった時に体からの熱が流れずに体にまとわりついてきてかなり暑かったです」

気温が特別高かったわけじゃない。でも本人はかなり暑さを感じてた。

3周目でジャンプ着地のたびに脚に響く感覚が出始めて、4周目で足攣りの兆候が顕著に。左ふくらはぎから始まって、右ふくらはぎ、最終的に右前もも(大腿四頭筋)まで広がった。

補給はそれなりにやってた。塩ジェル、OS-1、パワープロダクション入りボトル、フィードでコーラ、毎周回かけ水。完全な補給失敗とは言いにくい内容だった。

じゃあ何が起きてたのか、ってところが今回のテーマ。


原因① 神経筋疲労——補給では防げない攣り

足攣りって大きく2種類あるらしい。

ひとつは電解質・脱水型。ナトリウムとかカリウムが不足したり、水分不足になったりすることで筋肉の電気信号が乱れるやつ。よく言われるタイプで、補給で対処できる。

もうひとつが神経筋疲労型。筋肉を制御する神経系が疲弊して、筋肉の興奮と抑制のバランスが崩れることで起きるらしい。こっちは補給だけじゃ防げない。

白山のケースは後者に近いんじゃないかと思ってる。

症状のトリガーが「ジャンプの着地衝撃」だったこと、ケイデンスを上げたら回復に向かったこと、左右のふくらはぎから前ももへと広がった攣り方——調べてみると、これって神経筋疲労型によく見られるパターンと一致してた。


原因② MTBならではの衝撃蓄積

ロードにはない要因がMTBにはある。ジャンプの着地衝撃の蓄積

ふくらはぎと足首って着地の衝撃をかなり受けてるらしくて、これが何十回、何百回と繰り返されると、筋肉と神経への負荷がじわじわ積み上がってくる。

息子の表現がリアルだった。

「レヴPSでさえ辛いのにジャンプの着地の衝撃なんかヤバかった」

フルサスがあっても身体への負荷はゼロじゃない。むしろ快適すぎて、自分の疲労度を過小評価しがちなんじゃないかとも思う。

あと、疲れてくると無意識に足首を大きく使うフォームになりやすいという話もある。そうなるとふくらはぎへの依存が増して、後半の攣りを加速させるらしい。


原因③ 深部体温の上昇

気温が高くなくても、深部体温は上がる。

高強度で75分以上走り続けると、身体が生み出す熱量が放熱能力を上回り始めるんだって。MTBの登坂区間って風がなくなるから汗が蒸発しにくくて、体温が逃げにくい条件になる。

深部体温が上がると筋肉の収縮効率が落ちたり、神経の伝達が遅くなったり、疲労の閾値が下がったりするらしい。結果として攣りやすい状態になる。

「体からの熱がまとわりついてくる感覚」って言ってたのは、まさにそういう状態だったんじゃないかと思ってる。


3つが重なったとき

白山のレースを振り返ると、こんな流れだったと思う。

スタート〜3周目:ハイペースで走り続けて神経筋疲労が蓄積、深部体温も徐々に上昇。

3周目:登坂で体温の逃げ場がなくなり暑さを強く自覚。ジャンプ着地で脚への響きを感じ始める。

4周目:3つが重なって足攣りの兆候が顕著に。

補給が悪かったというより、今の能力で出せる高強度を約78分維持した結果として出た症状——というのが正直な見方だと思ってる。


対策① レース前——深部体温を下げて臨む

暑熱順化

夏レースの数週間前から、週3〜4回、ローラー後に10〜20分汗をかき続ける時間を追加するといいらしい。これだけで身体の熱への適応能力が変わってくるんだって。

プレクーリング

アップ後、スタート直前に氷嚢で首・脇・鼠径部を冷やす。深部体温のスタートラインを下げる効果があるといわれてる。

氷スラリー

スタート前にクラッシュアイス+スポドリを混ぜた「氷スラリー」を200〜300ml飲む方法もある。内側から体温を下げる手法で、暑熱下のパフォーマンス維持に効果があるとされてる。

ナトリウム管理

OS-1やソルティライチなどの電解質補給、レース当日だけじゃなく前日からやっておくといいらしい。

マグネシウム

「足攣りにはマグネシウムが効く」という話はよく聞く。ただ調べてみると、エビデンスとしてはまだ少ないらしくて、効果がはっきりしているわけじゃないみたい。

サプリとしては「2RUN」というマグネシウム系のものが有名で、アスリートの間でも使ってる人は多い。ただ注意書きに「ドーピング検査が関係する競技者は使用しないでください」という記載があって、ウチはやめた。同じ状況の人は気をつけてほしい。


対策② レース中——サインを見逃さない

足攣りのサインは必ず先に出る。

  • ジャンプ着地のたびに脚に違和感が響く
  • ふくらはぎがいつもより張ってる感覚がある
  • 筋肉がピクピクする

このサインを感じたら、早めに動くのが大事。

ケイデンスを上げる:重いギアでゆっくり踏む動作はふくらはぎに負荷がかかりやすいらしく、ギアを軽くして回転数を上げると負担が分散される。白山で息子がやって効果があったのがこれ。

出力を落とす:少しだけ強度を下げて神経系を休ませる。完走まで持ち込めた要因のひとつだと思ってる。

ジャンプを回避する:可能なら着地衝撃の多いセクションを避けるルート取りに切り替える。


対策③ 練習——後半耐久力を上げる

根本的には、疲弊した状態でもう一踏みできる能力を上げるしかない。

FTP向上も大事だけど、足攣り対策としては「疲れた後の高強度」が特に効くといわれてる。

具体的には、90分ライドの後に3〜5分の高強度インターバルを数本。この状態で神経筋疲労と戦う経験を積むと、レース後半でも身体が崩れにくくなるらしい。


まとめ

MTBレース中の足攣り、補給だけの問題じゃないことが多い。

神経筋疲労、ジャンプ衝撃の蓄積、深部体温の上昇——この3つが重なったとき、足は攣りやすくなる。

白山のレースで言えば、補給は失敗じゃなかった。足攣りは「今の能力の限界近くで走り切った証拠」でもあると思ってる。

次に向けて必要なのは、補給の見直しだけじゃなくて、深部体温対策と後半耐久力の向上。

暑い季節のレースはこれからが本番。今から仕込んでおきたい。


うちの場合/次にやること

白山を終えて、全日本(安曇野)まで約1ヶ月。やることは絞った。

暑熱順化から始める。 ローラー後に10〜20分、汗をかき続ける時間を週3〜4回追加するだけ。特別なトレーニングじゃなくていい、習慣として積み上げる。

プレクーリングを試す。 氷嚢とジップロック、今から準備しておく。アップ後にスタート直前、首と脇と鼠径部を冷やす。白山ではやってなかった。

氷スラリーも仕込む。 クラッシュアイス+スポドリを200〜300ml。スタート前に飲む。暑い日のレースでは特に試してみたい。

練習は「疲れた後の一踏み」を意識する。 90分走った後に高強度を入れる。FTPより、後半に崩れない身体を作ることを優先する。

全日本は7月下旬、炎天下になる可能性が高い。白山より条件は厳しくなる。やれることは今から全部仕込んでおく。


同じ悩みを持つ人へ

レース中に足が攣ったとき、「補給が足りなかったせいだ」で片付けるのはちょっと待ってほしい。

もちろん電解質や水分は大事。でもそれだけじゃなくて、神経筋疲労や深部体温が絡んでることも多い——少なくとも調べてみてそう感じた。

ケイデンスを上げたら回復した、着地衝撃で脚に響く感覚があった、気温はそんなに高くないのに暑さを強く感じた、という経験があるなら、このパターンに当てはまってる可能性がある。

まず試してみてほしいのはこの3つ。

  1. レース前の暑熱順化——夏レースには数週間前から準備が必要
  2. プレクーリング——スタート前に身体を冷やすだけで変わるらしい
  3. 兆候を感じたら早めにケイデンスを上げる——我慢して踏み続けるより早めの対処が完走につながる

完璧な対策がある話じゃない。でも「補給だけ見直せばいい」より、もう少し広く原因を考えると対策の選択肢が増えると思う。

さて、安曇野全日本にむけて、何ができるか。
なんか考えて、やってみる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました